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2016年3月5日土曜日

組閣できないスペインの事情。再選挙の可能性が強まる




第1党の国民党に続き、第2党の社会労働党も組閣できず



総選挙からすでに2ヵ月以上


3月4日、スペイン議会の下院で社会労働党のサンチェス党首が2度目となる首相選出の信任投票に臨みましたが、第1党の国民党などの反対により否決されました。賛成が131票、反対が219票。


政策討論などを行った後に行われた1回目の信任投票に続き、2回目も不首尾に終わり、今回の総選挙の結果を受けてのサンチェス氏が首相に選ばれるチャンスはこれで消えたことになります。


今後は別の政党が連立政権を組んで政権の樹立を目指しますが、5月2日までにいずれの政党も組閣できなかった場合、6月下旬に再選挙が行われることになります。







第1党の国民党は1月に組閣を断念



野党である社会労働党が首相選出の信任投票を受けているのが少し意外な感じがしますが、実は与党の国民党ラホイ首相は1月に他の政党の協力が得られず、連立政権を立てられなかったために組閣を断念しています。


スペイン ラホイ フェリペ6世
ラホイ首相(左)と国王フェリペ6世(右)




右派である国民党は新光政党であるシウダダノスだけではなく、一時は左派の社会労働党とも連立を計りましたが、いずれも大きな議席数を12月の総選挙で獲得したこともあり、協力を得ることができなかったようです。



これを受けて4年前の総選挙で政権から退いていった社会労働党に、2月2日に国王フェリペ6世が組閣要請を出し、今回の信任投票に至ったのでした。





2015年12月20日の総選挙


国のトップが2ヵ月以上も決まらないままになっているわけですが、実はここまでの経過は2015年の総選挙後の見通しとしては比較的に可能性があった成り行きと言えるようです。


スペインでは1976年にフランコ独裁政権が崩壊してからは、1回を除きすべて国民党と社会労働党の2大政党が政権を担ってきました。


いずれの政党が政権を握ることになっても連立を組まなければ組閣できない今回の状態はスペインにとって初めてのことなのです。


それもこれも2015年12月20日の総選挙。








定数350議席のうち、国民党が123議席(得票率28.7%)、社会労働党が90議席(同22%)、ポデモスが69議席(同19.7%)、シウダダノスが40議席(同11.4%)という結果になりました。




新興勢力の2政党


「我々はできる」という意味のポデモスと「市民」という意味のシウダダノスが2大政党の国民党と社会労働党に割って入ったことにより、1党による政権樹立が不可能になったのでした。



深刻な経済危機からは脱したものの、若年層の失業がいまだに目立ち、さらには2大政党の汚職への嫌気から、ポデモスとシウダダノスが勢力を伸ばしました。



ポデモスはEU主導の反緊縮を訴え、シウダダノスは政治改革を進めようとしています。国民党と社会労働党の旧態を変えようという姿勢は共通しますが、カタルーニャの独立に関してポデモスは賛成し、シウダダノスは反対しています。



国民党とシウダダノス、社会労働党とポデモスが連立の組み合わせとしては可能性が高いとみられていましたが、いずれも過半数には達しません。仮にこの組み合わせが実現したとしても、連立自体が難しいと見られているのです。



このままでは再選挙ということになるかもしれませんが、スペインの国民はもし再選挙があったとしても投票先を変えないとう人が多く、再選挙自体を望んでいないようです。






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