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2016年5月2日月曜日

プエルトリコがふたたびデフォルトに。その背景とこれから

4億2200万ドルの債務不履行もまだ続く財政危機




1日にアメリカ自治領のプエルトリコのアレハンドロ・ガルシア・パディーヤ知事はテレビで会見を行い、政府開発銀行(GDB)は月曜に支払われる予定である4億2200万ドル

(およそ449億円)の債務不履行を宣言しました。



プエルトリコがデフォルトの事態に直面するのはこれが3回目のこと。ガルシア知事はデフォルト回避に向けた交渉を続けてきたものの、それがしっぱいに終わり不履行が避けられなくなったとテレビの会見で説明しています。





ファン・サラゴサ財務長官によると、それでもふたたび7月に19億ドルの支払いが待っているので、まだこれからの2ヵ月が財政の正念場になるということで、プエルトリコ政府は今後も債権者との交渉を続けていかなければなりません。



「支払いの不履行は実に難しい決断だった。率直な気持ちとしてはできることなら避けたい選択でした。しかし、債権者への支払いと国民への公共サービス提供の両方を満たせるほどの流動資金の監禁能力がなかったためにこの選択を取らざるを得ませんでした。なので、私はこの道を選びました」というガルシア知事の言葉です。



日曜日の時点で債務不履行に陥ったプエルトリコ政府の債権は20セント(およそ21円)の価格まで下落しています。





ただ、世界の金融業界では今回のデフォルトは予想されていた事態に過ぎず、それほど大きなショックを受けてはいないようで、ヘッジファンドの多くもプエルトリコ政府は最終的には債務の返済ができるだろうという見通しをしています。つまり大きな影響はいまのところなさそうです。




プエルトリコの微妙なポジション





プエルトリコはカリブ海に浮かぶ人口350万人の島で、アメリカ合衆国の自治領です。プエルトリコの財政危機は2014年の始まりから問題になっていて、国の経済悪化から資金調達が難しい状況になっているという報道を1月にウォールストリート・ジャーナルがしています。




財政難の理由




プエルトリコの財政難の要因の中には、アメリカ政府の政策変更があるようです。2006年まではプエルトリコ自治領内での連邦税が免除されていたため、多くの企業が進出していたのがその年を境に潮が引くように撤退を始めます。その後も政府が成長を見込んだ借金をしたり、社会福祉政策を維持し続けたことも財政悪化を招いた一因に上げられますが、アメリカでありながらアメリカではない自治領の厳しい立ち位置がその背景にはあるようです。



そうしたプエルトリコの状況が、さらに追い打ちをかけます。2015年12月にアメリカ議会はプエルトリコへの財政支援をしない方針を決めたのです。産業のほとんどを観光業に頼るプエルトリコは経済の抜本的な改革をする手だてもなく、厳しい資金繰りが今も続いている状態で、アメリカの自治領は州とは違い、連邦破産法が適用されないため、債務再編も認められていません。




島から離れるプエルトリコの人たち




プエルトリコの失業率は12.5パーセントに上り、アメリカ国内としてはもっとも高い数字になっています。とくにホワイトカラーと中産階級の専門職の失業が顕著で、医師は1日に1人の割合でこの島から立ち去っている現状です。島に暮らす人口が350万人なのに比してアメリカ本土に暮らすプエルトリコ人は400万人を超えるという数字もあります。




投資家たちが注目するプエルトリコ




プエルトリコの債権は金利から得られる収入に対する所得税がかからないことから世界各国の投資家に人気があり、金融商品としても扱われています。プエルトリコの財政状況に注視している投資家は少なくなく、ガルシア知事は2013年から監査済みの財務諸表を発行していないため、債権者の中からは不満の声が上がっています。



3月31日にアメリカ下院議会のポール・ライアン議長はプエルトリコの財政をアメリカ連邦政府の管理下に置き、財政破たんした状態として債務再編を行う法案への協力を求めましたが、リベラルと保守の両派から反対されています。




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ガルシア知事は債務返済にはアメリカ本国からの支援が欠かせないと訴えていて、また国際社会からの圧力も強くなると見られます。






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