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2016年5月21日土曜日

ギリシャでトルコへの難民送還はやめるべきだという判決が下される。その理由は?

ギリシャ レスボス島 難民キャンプ
ギリシャ レスボス島難民キャンプ

EUとトルコの難民に関する合意を覆す判断




3月18日にEUとトルコの間でバルカンルートの封鎖が合意に達し、ギリシャに滞在する難民はトルコに送還され始めていますが、そんな中ギリシャの裁判所は20日に移民を希望している難民の強制送還するべきではないという判決を下しました。


参考記事:EUとトルコの難民送還の合意。バルカンルート閉鎖の背景



トルコの難民キャンプは「安全ではない」





今回の裁判はEUとトルコの取り決め後に作成された送還リストにおいて最初に名前が載せられたシリア人3人が訴えたもの。判決の理由はこれまでアムネスティ・インターナショナルや国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が訴えていたように、トルコの収容キャンプが難民の人権が守られるような環境が整っておらず、「安全ではない」と判断したためでした。




しかし、判決が出たこの日もギリシャのレスボス島とコス島から51人の難民がトルコへと船で送還され、これまでに400人がギリシャから元来た道を返されていますが、このEUとトルコの間での取り決めに待ったをかけようという裁判所の見解が示されたことになります。






「トルコは難民が戻る国として安全と言えるのか?トルコ国境警備隊は”難民を銃撃、殴打し続けている」






アムネスティ・インターナショナルのスポークスマンであるヨルゴス・コスモプロス氏がBBCのインタビューに応え、トルコの難民収容所は難民条約で決められている基準を満たしていない、改善されるまで何人たりとも送還されるべきではないとコメントしています。




トルコからシリアに戻されてしまう移民も





また、トルコに移民として定住したとしても、就職や医療サービスなどが閉ざされているだけではなく、トルコからまたシリアに送還されてしまうことも少なくないとコスモプロス氏は指摘しています。





一方、難民の強制送還は違法であるという判決に対して、ギリシャ政府は「きわめて難しい状況」を生み出すことになるだろうと、今後少なくない影響を及ぼすことを認めていて、ギリシャには20日の時点で8592人の移民と難民が本当から離れた島々の施設に収容されていますが、判決の結果を受けて対応の変更が迫られることになるかもしれません。





「人でひしめき合うギリシャの島々の難民キャンプ」




参考記事:フランシスコ・ローマ教皇が12人のシリア人家族をレスボス島から連れて帰った意味とは?



EUとトルコの取り決めではトルコからギリシャに渡ったすべての移民をいったんトルコに送還し、それからシリア人の中でEU圏内に不法な入国を試みようとしなかった人優先的にEUへの定住を7万2000人まで認めるというものでした。ただ、ビザの有効範囲はシェンゲン圏(注)内に限られています。





また、トルコは定住の促進を図るための費用としてEUに対して30億ユーロ(およそ3700億円)の資金援助を要請しており、EUもこれに応える方針のようです。




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※注釈 シェンゲン圏…シェンゲン協定に基づいたもので、ヨーロッパ各国の間で国境の審査を撤廃し、自由に移動ができる領域を指す。現在、EUのうち22ヵ国、EU非加盟国の4ヵ国がこの協定に調印していて、2016年にはさらに4ヵ国が増える。


シェンゲン圏内の国


EU加盟国:オーストリア・ベルギー・デンマーク・フランス・フィンランド・ドイツ・ギリシャ・イタリア・ルクセンブルク・オランダ・ポルトガル・スペイン・スウェーデン・チェコ・エストニア・ハンガリー・リトアニア・ラトビア・マルタ・ポーランド・スロバキア・スロベニア 


EU非加盟国:ルウェー・アイスランド・スイス・リヒテンシュタイン


2016年参加国:ブルガリア・クロアチア・キプロス・ルーマニア






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