Powered by Blogger.

2016年8月23日火曜日

フランスのサルコジ前大統領と2017年仏大統領選まとめ


サルコジ元フランス大統領
 picture by
                                                                Пресс-служба Президента России
*追記あり(3月24日更新)

「フランスを守り、競争力と国家の威信を取り戻す」




フランスの前大統領ニコラ・サルコジ氏は8月22日、2017年に行われる大統領選に出馬する意向を発表しました。中道右派の野党・共和党の党首であるサルコジ氏はその座を辞任し、党の指名候補に立候補する予定です。



現職のフランソワ・オランド大統領の支持率が低迷する中、サルコジ氏は大統領選の中心人物になりそうです。


フランソワ・オランド大統領





強さを前面に押し出すサルコジ氏





サルコジ大統領は「フランスの歴史の中でも苦境にあると言える現状の中で、自分にはそれを戦い抜く強さがあると思っている」とコメント。



11月20日と27日に行われる党予備選に立候補することを、25日にもシャトールナールで表明すると見られています。




強硬保守派のサルコジ氏は2007年から2012年までフランス大統領を務めましたが、掲げていた経済政策が失業率の上昇や財政赤字という結果に終わってしまい、支持率が低迷して再選を目指した大統領選挙では現在の社会党オランド大統領に敗れてしまいました。





ライバルはフィヨン氏とジュペ氏、そしてルペン氏





共和党で11月の予備選に立候補している人はサルコジ氏の他に現在10人以上。有力候補はサルコジ氏の前の首相フランソワ・フィヨン氏とそれよりも前の首相のアラン・ジュペ氏だとされています。



フランソワ・フィヨン氏




アラン・ジュペ氏



共和党の流れとしては穏健派のジュペ氏を推していますが、サルコジ氏が7月14日に起きたニースでのトラック突入事件を受けて移民政策やイスラム教徒のテロ対策を強化する主張を鮮明に打ち出していたことから相対的に世論調査でのジュペ氏の支持率は低下していました。




サルコジ氏はテロの恐怖からフランスの存在を守り、低下した国際競争力を復活させ、国家の威信を取り戻すとSNSに自身の政策を投稿。続投を希望しているものの、支持率が10%台に低迷しているオランド大統領との違いをはっきりさせる姿勢を示し、国内の状況もあって2012年のときよりもさらに右傾化かした選挙運動を展開するものと見られます。



また、9月になって本格的に選挙運動を始めたサルコジ氏はEU(ヨーロッパ連合)についての政策も打ち出しています。イギリスのEU離脱(Brexit)にも言及しています。



国民投票の結果を受けてテレーザ・メイ首相がEUからの離脱に向けた動きを進めるイギリスに対し、サルコジ氏は自分が大統領になったらもう一度国民投票をする機会を設けるつもりだとEUへの再加入の提案をしています。


また、シェンゲン圏でのビザなし渡航を足掛かりにEU加盟を目指しているトルコとの交渉について、話し合いを打ち切る方向に持っていきたいとしています。




しかし、党としてEU離脱や移民反対など極右の政策をとっている「国民戦線」の党首マリアーヌ・ルペン氏も決選投票への選出が有力視されています。





ルペン党首はEU圏内の経済的に不安定な国がフランス経済の足を引っ張っているとし、イギリスと同様にEUから離脱するべきだと主張しています。





ムスリムへの規制強化を明言





フランスでは今、ムスリムの女性たちの水着「ブルキニ」の着用が海岸で禁止される法律が各地で成立し、議論が巻き起こっていますが、サルコジ氏はイスラム教やユダヤにたいしてもっと厳しい政策を提案しています。






すでにフランスでは公共の場で「ニカブ」や「ヒジャーブ」といった頭や顔を覆うスカーフを着用することが禁止されていますが、大学や国関連の企業にも範囲を広げるべきだとしています。また、外国人国籍の子供の権利を制限、学校の食堂で豚肉抜きの注文を拒否なども提案しています。



11月初めには給食に豚肉が出たときにはそのかわりにポテトをお代わりすればいいと発言しています。




ドイツでは移民受け入れに反対する「ドイツのための選択(AfD)」が躍進


フランス大統領選挙の制度


フランス大統領選挙の候補者になるにはフランス国籍を持った18歳以上であることを前提に、500人の推薦人を集める必要があります。推薦人は国民議会議員と元老院議員(日本の衆参議員にあたる)、市長村長などが務め、自らが推薦する候補者を届け出る必要があります。


選挙活動は行えるのは30日の期間中だけとなっています。運動期間中に公約を正式に掲げ、ポスターによる宣伝とメディアへの出演による主張をすることができます。


実質的には今回のサルコジ氏のように何ヶ月も前から立候補を表明し、上のような行為に当たらない範囲で自らの立場をアピールします。


選挙権も被選挙権と同じく18歳でフランス国籍を持っていることが条件となります。


1回目の投票で大統領を選出するためには有効投票数の過半数を得なければなりません。しかし、1回目で決定することはまずなく、上位2人で2回目の決選投票が行われます。2回目の投票では票数が多いどちらかが大統領となります。




2017年は4月の最後の週の日曜日と次の5月最初の週の日曜日に1回目と2回目の投票が予定されています。



混迷する仏大統領選





大統領選にむけて与党の左派陣営ではオランド大統領を支持せず、内閣で大臣を務めていたが自ら立候補することを表明している人が現時点で3人となっています。社会党からはアルノー・モントブール前経済相とブノワ・アモン前教育相。社会党と連立を組んでいる環境保護政党「緑の党・欧州エコロジー」からはセシル・デュフロ元住宅相が立候補を表明しています。





来年4~5月に実施されるフランス大統領選挙ですが、オランド大統領は年末までに出馬するかどうかを決めるとのこと。サルコジ氏も広く支持を集められているわけではなく、与党、野党ともに不透明な状況が続きそうです。






<追記>

2017年フランス大統領選挙情報まとめ




9月28日の2つの世論調査ではジュペ元首相よりも支持率が低いという結果が出ました。カンター・ソフレス・ワンポイントの調査ではジュペ氏が支持率39%でサルコジ氏が33%、IFOPの調査ではジュペ氏が35%でサルコジ氏が31%となっています。



10月25日のイプソスの世論調査ではジュペ氏が41%、サルコジ氏が30%とさらにリードが開いています。



11月20日に行われた中道・右派の予備選挙でサルコジ氏は敗れ、フィヨン氏とジュペ氏の2人が27日の決選投票に進出することが決まりました。この敗戦により、サルコジ氏は政界からの引退を表明しています。






11月27日に行われた中道・右派の決選投票でフィヨン氏が67%の票を獲得して大統領選挙の候補者に選出されました。与党社会党の支持率が著しく低下していることから現時点でフィヨン氏がもっとも有力視されています。




12月1日に社会党党首フランソワ・オランド大統領は2017年の選挙に出馬を断念したことをテレビ演説で表明しました。

政策が実行されなかったことやスキャンダル、テロなどの影響により支持率が歴史的低水準にとどまったために再選を諦めざるを得なくなりました。




2017年1月22日に行われた左派勢力の予備選挙では、オランド政権で前の教育相を務めたブノワ・アモン氏が得票数で1位となりましたが、過半数に満たず29日に2位のマニュエル・バルス前首相との決選投票が開かれます。アモン元教育相はベーシックインカムの導入をマニフェストに掲げています。






3月4日にジュペ氏はフランス大統領選に出馬しない意向を表明。一方でスキャンダルが発覚しているフィヨン氏を批判しています。




3月23日に与党社会党のルドリアン国防相、ブライヤール大臣付スポーツ担当大臣が自党のアモン候補ではなく、中道系独立候補のマクロン前経済相を支持することを表明しました。すでにポンピリ大臣付生物多様性担当大臣も造反の意向を明らかにしています。









ヨーロッパ関連記事一覧に戻る



参照

http://www.bbc.com/news/world-europe-37161249
http://jp.wsj.com/articles/SB11227962842099473856204582267541291555290
http://www.afpbb.com/articles/-/3098344
https://www.theguardian.com/world/2016/aug/22/nicolas-sarkozy-declares-candidacy-french-presidential-election
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082200540&g=int
http://www.reuters.com/article/us-britain-eu-sarkozy-idUSKCN11X2MD
http://jp.reuters.com/article/france-election-conservatives-idJPKCN11Z0IN
http://www.ambafrance-jp.org/article5401
http://jp.reuters.com/article/sarkozy-idJPKBN1340W1
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016112100441&g=int


Click!

2016年に指導者が交代した国々(アフリカ・北中南米・オセアニア編)
2016年に指導者が交代した国々(アジア・ヨーロッパ編)





スポンサーリンク

Social

ピンポイントテーマの最新ニュース

スポンサーリンク